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文章中、この色の言葉の意味は、上記の残土用語辞典をご覧下さい。 |
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5.汚泥の排出源と対策
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建設汚泥定義
掘削工事から生じる泥状の掘削物および泥水を泥土といい、このうち廃棄物処理法に規定する産業廃棄物として取り扱われるものを建設汚泥という。
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各種建設現場から年間1400万トンの汚泥が排出される |
(1)土が汚泥になるまで
土を掘削したり穴を開けたり、いわゆる掘削工事では刃物を使います。もちろん我々のカッター工事(道路切断工事)でも「ブレ−ド」と呼ばれる刃物を使って切断します。
削る時、刃物は強い抵抗を受け磨耗してしまい、また、摩擦により熱も発生します。これでは刃物の傷みが早く、掘削効率も悪くなります。実は切削に使う刃物は1回限りの消耗品ではなく、価格の点からみても長持ちさせたい物です。
この磨耗と発熱を防ぐために液体が使われます。この液体にはベントナイトというアルカリ性の粘土懸濁液、CMC(ナトリウム・カルボシキ・メチルセルローズ)、リグニンスルホン酸、ニトロフミン酸などの物質が含まれています。これらの物質は土粒子を膨化したり分散したりする性質を持っています。このように土粒子がベントナイトなどと混合し泥状になったものが建設汚泥です。こうして出来た汚泥は、非常に分離や脱水しにくく扱いにくいものです。
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(2)汚泥が排出される工事現場
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既製杭打設 |
既製杭・・・構造物の基礎杭としてコンクリートパイルを工場生産して現場に持込んで使用するのが、既製杭。オーガ−で掘削した穴に挿入する。 |
場所打ち杭打設 |
場所打ち杭・・・構造物の基礎杭。オーガ−で掘削した穴に配筋したパイプを挿入する。それにモルタルを打って現場で作る杭が場所打ち杭。 |
地下連続壁施工 |
地下連続壁・・・各種地下工事では、大量の地下水が噴出することが多い。それを防ぐ為に土とモルタルを固めた壁を作って工事を進める。この工程ではベントナイトなども注入する。
この工事では大量の建設汚泥や不良残土が排出される。 |
シールド工事 |
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不良土掘削現場 |
不良地盤・・・支持力が低い、または不等沈下を起こしやすい地盤。支持力が低い地盤では掘削によって不良土の排出がみられる。 |
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このような特定工事から大量に建設汚泥が排出されます。
問題点:汚泥は処理費用がかかる!例えば廃棄物処理業者への委託費。
また、汚泥は扱いにくい為処分地周辺で嫌われるので搬入もしにくい。
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発注者・設計者・元請施工者の責任性
処理費用がかかる上、扱いにくい汚泥。発注者・設計者・元請施工者が責任を持って取り組むことが必要。
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(1)発生抑制 |
〔1〕・・・泥水、安全液等を使用しない工法の採用。 |
〔2〕・・・掘削断面の合理化による掘削土量の抑制。 |
〔3〕・・・掘削物が極力建設汚泥とならないような工法やシステムの技術開発。 |
(2)減量化 |
脱水等の処理を行い、排出量抑制。 |
(3)再利用 |
〔1〕・・・目的とする構造物の機能、品質の確保及び生活環境の保全を前提とし、建設汚泥が発生する工事においてはその現場内利用および利用の促進に努める必要あり。 |
〔2〕・・・現場内利用や工事間利用できない場合でも安易に最終処分せず、適切な中間処理を行う必要あり。 |
〔3〕・・・再資源化された建設汚泥を利用できる工事においては、その利用に努める必要あり。 |
廃棄物として
の取扱い
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定義で示したように、産業廃棄物として取扱われる建設汚泥は、再資源化する場合でも適正に『処理』しないとならない。 |
(1)『処理』の方法 |
〔1〕自己処理:排出事業者が自ら処理すること。(「自ら利用」、とは異なる。) |
〔2〕委託処理:排出事業者が産業廃棄物処理業者に処理を委託する。 |
(2)建設汚泥の中間処理 |
最終処分の前段階として減量化・安定化・無害化を目的とした処理。 |
(3)建設汚泥の再生 |
廃棄物から原材料等の有用物を得ること、又は処理して有用物にすること。 |
(4)建設汚泥の最終処分 |
管理型最終処分場においての埋立処分。 |
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